2024.01.31

【令和6年度診療報酬改定⑤】マイナ保険証の議論に関して

 令和6年度の診療報酬改定の基本方針として、

(1)物価高騰・賃金上昇、経営の状況、人材確保の必要性、患者負担・保険料負担の影響を踏まえた対応

(2)全世代型社会保障の実現や、医療・介護・障害福祉サービスの連携強化、新興感染症等への対応など医療を取り巻く課題への対応

(3)医療 DXやイノベーションの推進等による質の高い医療の実現

(4)社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和

の4点が示されています。

 

今回は(3)であげられている医療DXの1つである「マイナ保険証」の議論に関してです。

 

 国は医療DXを促進し患者さん本人の同意のもと患者さんの情報を医師、薬剤師と共有しより良い医療につなげるため医療情報プラットフォームを作成しようとしています。

 そのために「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」(オンライン請求を行っていることが要件の評価)の評価の見直しや電子処方箋の普及、電子カルテ情報の3文書(診療情報提供書、 退院時サマリー、健康診断結果報告書)・6情報(傷病名、アレルギー情報、感染症情 報、薬剤禁忌情報、検査情報(救急及び生活習慣病)、処方情報)の入力・ 管理、入院診療計画書等の電子的な文書提供等の医療情報の標準化・ICTの活用等を通じて、医療連携の取組を推進などが検討されています。

 まずはこの医療DX入口として「マイナンバーカードによる医療機関の受診」を促進することに関して議論が行われました。

 

 2024年12月2日で保険証の新規発行が終了し、マイナンバーカードの保険証利用を基本とする仕組みに移行します。

 

参照:第174回社会保障審議会医療保険部会【https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001193993.pdf

 しかし現在、マイナ保険証の利用率は低迷しているため、次のような対策を総合的に行う考えを提示しました。

 ・1月以降の利用率がR5年10月の利用率から増加した医療機関等に対し、増加量に応じた支援

 ・診察券との一体化等への補助金

 ・利用実績に応じた評価を検討

 ・全医療機関に対し、利用率の自主的な目標として活用できるよう、利用実績を通知(1月~) などです。

 一方、健康保険証の廃止に際しては、マイナ保険証を保有しない方に、申請によらず資格確認書を発行することとしていているようです。

 そのためマイナ保険証を保有していなくても、保険診療が受けられる環境が続きます。

 

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