2022.06.28

クリニック開業に必要な初期費用は?

クリニック開業に必要な初期費用の相場

クリニック開業に必要な開業資金については、開業されるクリニックの理念やコンセプト、そして設備によって大きく変わります。コンセプトとは、どんな医療方針でどんな患者にどのような治療を提供するかを決めることであり、今後の経営の柱とも言えるものです。
実際にクリニック開業に必要な初期費用の中でも大きな割合を占めるのは、建物をどのように取得するかによってかかる費用と医療機器を導入する費用です。クリニックの理念やコンセプトによって開業するエリアと診療科も変われば、それによって必要とされる医療機器やクリニックの必要面積も変わります。
開業すると決めたら、医師という専門家としての視点だけでなく、また同時に経営者の視点でじっくりコンセプトを検討し事業計画・開業計画を立てることが成功の秘訣です。

共通する費用について

どの診療科を開業するにしても必要となる初期費用として、賃借契約にかかる家賃と敷金、礼金に仲介手数料があります。
物件の状況によりますので一概には言えませんが、年間にするとおよそ300万円~400万円で、内装工事に3,000万、医療機器に3,000万円ほどが必要です。また、購入する場合は土地代などの費用も必要です。
そして待合室の設備やタイムカードなどの什器備品に200万円、初期の宣伝広告費に300万円程度かかってきます。
当然当座の運転資金も必要で、固定費の6ヶ月分(3,000万円〜)は用意しておきたいものです。

また、新規開業するにあたってほとんどの医師がその地域の医師会に入会することが多く、各医師会によって若干の違いはあるものの、概ね約200万円の入会金が必要です。

初期費用が一番高い「整形外科」

整形外科はリハビリテーション設備のための初期設備費用がかかる診療科で、開業資金が大きくなるのが特徴です。
患者さんのリハビリを行うためには理学療法士や作業療法士といったリハビリの専門知識を持つスタッフの雇用が必須であり、レントゲン撮影には放射線技師が、怪我や注射といった処置の対応は看護師がといった各専門スタッフが必要になります。
一般的に整形外科は患者が多いため受付スタッフの人数確保も重要です。
整形外科の開業に最も資金がかかるのがリハビリ用の医療機器の導入で、レントゲンや骨密度計、高・低周波治療器にマイクロ波治療などがあります。
整形外科クリニックの開業に必要となる資金はテナントで7,000万円~8,000万円、戸建てクリニックだと1億を軽く超えて1億5,000万円ほどになることも珍しくありません。

最も初期費用がかからない「心療内科・精神科」

逆にクリニック開業で最も初期費用がかからないのが心療内科・精神科で、土地建物の費用も安価で済むことが多く、電子カルテやコピー機などの事務機器費用に500万円~ほどあれば開業できると言われております。
心療内科・精神科といった性質上、戸建てクリニックよりもビルなどのテナントに入るほうが良く、公共交通機関が便利な場所、駅近ビルなどのの2階以上に借りての開業となるケースをよく耳にします。
心療内科・精神科の治療では専門の医療機器を必要としないため、主に初期費用がかかるのはクリニックの内装です。
心の病気を抱えて来院する患者さんが落ち着けるような内装にしたり待合室に仕切りを設けるなど患者さんのプライバシーを考慮した内装にかかる費用が最も多くなります。
スタッフも受付スタッフとカウンセラーくらいで、看護師もそんなに必要はありません。
そのため人件費も抑えられがちで、運転資金も500万円~ほどと言われています。

経営者に必要なのは事前調査

診療科によって多額の開業資金を必要とするクリニックもあれば、少ない資金で開業できるクリニックもあります。
開業に際しては、ドクターであり経営者となられるわけですから、事前の調査が何よりも重要です。
費用面もそうですが立地や競合調査、その地域の10年20年先の発展など、全ての物事を俯瞰で捉え、勝ちに結びつけられるような戦略を立てていきましょう。

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