2022.07.07

クリニック開業時のドクターのマインド

勤務医から開業医になることは、経営者になるということ

「いつか独立し、開業医になる!」と決意されている先生の中には、すでにクリニックの開業地やその他の具体的な準備にとりかかっている方もいるかもしれません。

もちろん開業の準備は多岐に渡るものですから「少しでも早めに済ませておこう」という気持ちも分かります。一方で先生ご自身の「マインド・心構え」についてはどうでしょうか?

一旦開業した後には多くの先生が勤務医時代との業務内容の大きな違いに驚き、悩みを抱えることもあるといいます。だからといって勤務医に逆戻りするわけにもいきません。
単に物理的な準備だけでなく先生の心構え、言い換えれば勤務医マインドから経営者マインドへの意識改革が早い段階でできていると、その戸惑いや悩みも小さなうちに解消できるはずです。
迷いの無い院長が率いるクリニックは、経営が安定するまでそう時間はかからないでしょう。開業前から頭を経営者マインド切り替えておき、開業後のスタートダッシュを目指しましょう。

経営者・事業主としての覚悟

開業するということは事業主になる、ということです。
経営者は総合マネジメントを行う役割ですから、ご自身のクリニックに関するすべてにおいて決定権を持つと同時に、その全部の責任も負う必要があるということになります。

かつて勤務医時代には病院側でやってくれていた人事や会計、諸手続きなども、言ってみれば何から何まで自分で行わなければなりません。人を雇ってやらせるのもいいですが、クリニックに関わらず創業時にお金で解決しようとする姿勢は経営者として問題です。なるべく余計なコストがかからないようにと考えるのがスタートアップ時の経営者の考え方です。

この「事業主になる」という覚悟をきっちり持つことが、開業医になる際の心構えの根幹となるのです。「良いことも悪いことも、何が起ころうと自分の責任」という姿勢さえ揺るがなければ、開業して初めて経験することになる様々な雑務やトラブルにも、煩わしさを覚えたり怖じ気づいたりすることなく対処できるでしょう。雑務やトラブルについての具体的な対処法についてはこのコラムでも随時取り上げていきますし、少しずつ経験していくことで上手く乗り越えていけるはずです。勤務医である今の時点で何より重要なのは、事業主となる覚悟であると心得て下さい。

クリニックの院長の役割はドクターだけではない

クリニックの院長は一人で三役をこなさなければなりません。すなわち「経営者・管理者・医師」の三役です。
一つ目の「経営者」としての役割には、増収対策や経費削減、業務の合理化といった経営方針の決定をはじめ、資金繰りなどももちろん含まれます。クリニック経営の最高責任者・総合マネージャーとしての立場です。
二つ目の「管理者」の役割には、従業員の教育や管理があげられます。労務管理や研修などを通してスタッフの質を向上させていくことが求められます。スタッフが不足しないようにや労働環境への意識も持たねばなりません。
三つ目の「医師」については言うまでもなくドクターとしての役割です。実際の診療活動はもちろん、クリニックとしての診療方針の決定など、医療行為の中心者としての職務です。

これら3つの役割の業務と責任すべてが事業主である院長にのしかかってきますから、生半可な覚悟では痛い目に会うことが想像いただけるでしょう。開業後に「こんなはずではなかった…」と嘆くことのないよう、開業前にしっかりと意識改革に取り組んで下さい。

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